2016年11月18日
骨休め
≪ 今夜は 68年ぶりのスーパームーンが見られるでしょう ≫
なんて言われていた日の深夜
う" っ

ちょっとしたトラブル事があり 右手を痛めた

自分で 強引に戻しては見たけど・・
指が 変に曲がっている感は 否めない

でも大丈夫
ギターも弾けるし・・
そのうちに治るよ

なんて 周囲の心配をよそに 本人は涼しい顔
でも、アイスピックで氷を割ると 右手に激痛がはしる
シェーカーはマジ無理だった

結局 そのまま4日間 過ごしてたけど・・
トレーニングの日
プッシュアップバーが痛くて 握ることができず
体が上に持ち上がらない
右手が 膨らんだゴム手袋のようになっていた

見ると 手の平が 紫色になっている
≪ しょうがない 病院に行ってみるか ・・ ≫

そんなこんなで しぶしぶ病院に
≪ れっつら Go


普段、滅多に病院なんかには行かない俺・・ だから その度に
≪ 紹介状の無い場合、特定療養費として2,700円をいただきます ≫ って言われちゃう

受付を済ませ
初診受付表を手に 向かったのは ここ・・ 整形外科の窓口
ゲッ めちゃ混んでるし

そういえば・・
以前、 腰痛がひどくて来た時も めちゃくちゃ混んでて 結構待たされたんだっけ・・ それ 忘れてたよ


朝9時に受付をしてからの 待ち時間は
ディズニーランドも越える勢いの ざっと3時間
まだまだ 呼ばれる気配が無い・・ (笑)

やっと診察が周ってきて
レントゲンや CT台の上に寝っころがった頃には 既に5時間が経過・・

結果・・
『 やはり折れてますね 』
と担当医

先生、 このまま放っといて くっつきますか?
もしや・・ と思い 聞いてみた
『 くっつきません このままだと指や手が曲がらなくなりますよ 』
『 全身麻酔で オペになりますね これ 』
ゲッ

素人目では 綺麗に折れているように見えるけど、 どうやらこれ 結構 面倒な骨折らしい・・
そのまま医師に促され 急遽 入院の手続きをすることに・・

≪ とりあえず この日は自宅に戻ることができた ≫
『 冷蔵庫の中に買い溜めた食糧があるから 入院中は傷んぢゃうな・・ 』
まとめて煮込み 子供達にカレーを作ることに
手は折れていても 包丁が使えるのが不思議 (笑)

よしっ できた!

できたよ・・ カレー

できたってば・・
ん? なに?? スターウォーズ 探してんの?
俺が入院するのを 知ってか知らずか 子供たちは最近覚えた WOWOW の番組表に夢中
おいおい パパはしばらく 居なくなるんだぜ

どうすんだよ・・ このカレー (笑)




≪ 入院当日 ≫
入院受付を済ませ 案内人の後ろを テクテク ついて行った
どうやら 入院するのは このビルの6階らしい


案内されたのは この部屋・・

個室・・!?
WAO !!

≪ てなわけで・・ 家族にも 誰にも 人知れず・・ 今日から孤独な入院が始まった ≫

しばらく 部屋ん中で ボーっとしていた
毎日 休みなく タイトなスケジュールだったから
急に時間が 止まったみたいだ (笑)
全身麻酔なんて 大丈夫かぁ

これから この手は どうなるんだろう

ここ 6階からは景色がよく見える・・
外は綺麗に晴れていた

下の公園では ママさんや子供達がいっぱい みんな 小っちゃくて 可愛いーな

リリカ や ミヅキ達も つい最近までは こんなだった

なんて・・ しばらく 外を眺めていると
看護士さんがやってきて 腕に輪っかを付けていった
これ、 点滴や 注射の際に ピッピ ピッピ ハンドスキャナ でやっていく
どうやら このバーコードで 全てを管理するみたい

ついでに・・
手術をする方の手に なにやらマジックペンで
マ って 落書きを・・ (笑)
手術する方の手を 間違わないようにする為らしいけど・・
マ ってさ

マークの マ かな??

そうそう

このベットマットが すごく寝心地がいい!
シーツを ひったくって見てみた・・ < PREGLAR プレグラー > って書いてある
調べると PARAMOUNT BED 社 の 製品のよう

この マット・・ 入院中 一度も腰痛が起こらなかった
それに スポンジマットにありがちな < 変な湿気や 蓄熱で寝苦しい >
なんてこともなく 快適な寝心地を ずっとキープ
この寝心地を体感すると もうスプリングマットには戻れないね・・ (笑)
これなら 自宅以外に キャンピングカーや トレーラーなんかでも 使えるかもしれない

そんなマットの予備が 病棟の廊下に いくつも立てかけてある

見ると 色々な種類がある このマット・・
色の違いはマットの固さかな ?!

院内を しばらく散策し 病室に戻ると 早速に昼食が出た
WAO! 嬉しいな

家内から御飯を作ってもらえなくなってから もう2年・・
他人から こうして暖かい食事を いただくのは久しぶりだ


しばらくすると・・
コンコンッ


『 これ着てくださいね! 』
看護士さんが 手術着を持ってきた

ダボダボ してて ちょっと重い感じの この手術着
どんなものかと 試しに着てみる・・
おいおい・・ これって


俺は 映画 ≪ テルマエ・ロマエ ≫ の 阿部寛かいっ


それに・・ 今度は 別の看護士さんが入って来て またまた こんなのを置いてった
< 手術用の ふんどしパンツ と タイツ >
ふんどしは普段 神輿なんかで締め慣れてるから 大丈夫だけど・・ 白タイツって・・


真冬でも サンダル 引っ掛けて海遊びに出かける俺が
タイツかいっ

白タイツなんて履いたの 幼稚園のお遊戯会でやった
≪ 因幡のウサギ ≫ 以来だよ・・ (笑)
40年間守り続けた 俺の男気が ガラガラ 崩れ去る

こんな 突込みどころが満載の この病院
さあ 明日は初めての手術・・ そして全身麻酔だぞー





一分間ぐらい 眠ってしまった
いや・・ 1時間40分も 寝ていたらしい

ぜんぜん 記憶がない・・
自分の足で手術室に歩いて行き 自ら手術台の上に寝っころがった・・
『 ドウチさん マスクしますよー 息が苦しくないように 少し 口との隙間空けときますね 』
『 はい ありがとうございます! 』
これしか覚えていない
確かに 酸素マスクはしたけど 匂いもなくて 冷たくも 熱くもない 普通の空気を吸っていた
だから ≪ まだ麻酔かけてないんだな・・ ≫
なんて 目の前にある いくつも並んだ 丸いライトを眺めてた



名前を呼ぶ声で目が覚めると 全てが終わっていた
へっ?
さっきまで起きてて・・
ちょっと一瞬 目を閉じてただけなんですけどー
眠ってたのは1分ぐらいにしか 感じられない
夢なんか見ることもなかった
亡くなった父や 爺さんに会うこともなかった
話したいことが 山ほどあったのに・・

まるで 魔法をかけられたようだ
≪ こんな麻酔なら 何百年も先にある星に 眠ったまま行けそう

なんて・・ そんな事を考えながら ガラガラ と ベッドのまま病室に運ばれている 俺
途中、 やたら ペラペラ 話したくなる・・ 麻酔の後遺症なのか 口が止まらない
もし、 口の堅い人を尋問するなら 全身麻酔の後がいいね きっと (笑)
病室で 最初に見た景色は 綺麗な夕焼だったー


って 手はっ?
おぅ~ こんな大げさに・・
まるで これからグローブをはめる ボクサーみたい

どうやら 手は切開せずに チタンの棒4本で 骨を固定したようだ
聞くと この棒・・ 骨がくっついたら 麻酔無しのまま ぐりぐり ペンチで引き抜くらしい

麻酔なし・・ ?
『 えっ

『 はい! 』 ( きっぱり )
おぅ~

麻酔無しって ・・

なんでも・・
抜くときの痛さよりも、局部麻酔をする 注射の方が 痛いとか 痛くないとか・・ どっちやねんっ

ここに プラス(+) と マイナス(-) の線をつなげたら 電球が点いたりして・・ (笑)
レモンかっ 俺は



くぅ~
麻酔切れの傷みと 軽い吐き気で 動くことができないぜ

おまけに 点滴に繋がれていた

『 どうちさんっ このまま明日まで 動かないでいて下さいね! 』
全身麻酔の後は 立って歩くことが制限される
なんでも・・ < 麻酔明けは 体に力が入らず コケてしまう > から だとか

でも 看護士さんが居なくなると こっそりトイレに

ふぅ~ すっきりぃー

点滴のせいか なんだか またすぐにトイレに行きたくなる
麻酔で眠ったからか この日の夜は なかなか眠れなかった
おまけに 夜中に大声で徘徊する 痴ほう症のお爺ちゃんが朝方まで・・
看護士さんがベッドに誘惑するけど、 じいさん なかなかその気にならない (笑)

部屋の前のナースステーションからは 夜通しナースコールが聞こえてきてた

大変な仕事だよね・・

≪ 翌朝 ≫
結局 痛み止めを飲むことはなかった

巡回してきた マツエクが可愛い 看護士さんが
『 どうちさぁ~ん 昨夜は何回 トイレに行きましたぁ? 』
げっ

『 えっ ? なんで?? 』
『 だって・・ 尿瓶 使ってないもんっ 』 ( T_T)\(^-^ )
使えるかー (笑)

フゥー
やっと点滴から開放されたぜぃ~
なんだか 痩せちまった・・ しばらくはトレーニングも出来ないな

この日の朝は 久しぶりに食事が出た
丸二日間 点滴ばかりだったから すごくお腹が空いていた
WAO! 嬉しいぞ
って・・ よく考えたら
箸が使えないんですけどー ( ̄(工) ̄;) / /
しょうがないから 左手で食べてやったぜぃ Funkyだろぅ~ ?

しばし 院内を散歩・・
この病院 受付の横には ≪ Tully's Coffee タリーズコーヒー ≫


ガヤガヤした 受付のすぐ横じゃあ ゆっくり飲めないね コーヒー


あんなに混んでいた 整形外科の窓口・・ 午後は ガラガラだった

≪ 入院最後の夜 ≫
入院中は 夜景が綺麗だったから ずっとカーテンは開けっ放しに
コンクリートの中にばかりいると 息が詰まりそうになるからね
時折 少し開けた窓から入り込む 冬の冷たい空気が 気持ちいい

最後の夜は わが病室を
< Lounge Bar ラウンジバー > みたくセッティング (笑)

6階から見る夜景は 今夜も綺麗だった

≪ am 6:00 ≫
もう こんな時間から 仕事に行く人たちが 歩いている
みんな こんな早くから頑張ってるんだ・・
それぞれの人生を みんな精一杯生きている
感慨深く 眺めていた

最後の食事は
白米の横に 赤飯が添えてある
メッセージカードも一緒にね


ここには 色々な人生があった
毎日 部屋の掃除に来てくれる おじさん おばさん
家族の面会も無く いつも天井を見つめてばかりいる お婆ちゃん
歩けないお年寄りに歩調を合わせ ゆっくりお風呂に向かう男性看護士
深夜 消灯した中で ジッと 一人PCを見つめる若い医師
そして 思いのほか 事務的で辛辣な女性看護士さん達
お年寄りを介護しているとそうなっちゃうのかな・・
≪ 人生意気に感ず ≫
人生意気に感ずとは、人は利害や打算で行動するのではなく、相手の心意気に感動して動くもの だということ。
「意気」とは、やり遂げようとする積極的な気持ちのこと。
人は金銭などの欲や、名誉のために行動するものではないといういましめ。
この5日間は 自分にとって 間違いなくターニングポイントとなるだろう
大変勉強になりました
peace you all
この記事へのコメント
そのマスクは酸素ではなく
笑気ガスというモノですよ
笑気ガスというモノですよ
Posted by ほと at 2016年12月04日 00:35
ほとさん
そうなんですね 全く流れている事に気付きませんでした
そうなんですね 全く流れている事に気付きませんでした
Posted by juba
at 2016年12月04日 20:36
