発電機消音ボックス

juba

2010年06月15日 22:55













   

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発電機 消音BOXの作成




トレーラー泊など アウトドアで使用する発電機

周囲への音の配慮はもちろん 海泊などで吹き飛んできた砂や水滴・・ 直射日光から発電機を守る役目にもなる
現地などで使用していると キャンパーの方からの問い合わせが多く
『 是非ブログで作り方を 』    のリクエストに 今回UP!





《 全制作費 19,000円 》




発電機消音BOX製作の基本コンセプトは

> 軽量で持ち運びが容易
> 部品はホームセンターにて簡単に手に入るものを使用
> 自分以外でも操作・設置が簡単に出来るもの





発電機の音を消すためなら
アルミなどでケーシングを作り 防音処理と排気処理スペースを十分に取れる大きさがあれば 
かなり効率の良い防音BOXが作成できるはず

でも、 これでは重くなるし 移動させるのも困難・・
ピックアップトラックの荷台に常設ならば別だけど、 多くのキャンパーなら荷物は軽くしたいもの・・     自分もそう! 

なんとか軽量で 消音効率の良い物を作りたかった






使用している発電機は  ≪ ホンダ発電機16i  ≫

この発電機本体が すっぽり入るBOX選びから始まる

チョイスしたのは  ワイドストッカーWY-780 《アイリスオーヤマ》 ¥1,980  
これは軽量で 予備部品が手に入りやすい
ボックス作成時に失敗しても その部品だけを取り寄せることができる
実際、 上蓋のフックが破損し メーカーに問い合わせをしたら すぐに手配を頂けた
これは助かる

このBOXは加工のしやすいプラスチック樹脂でできているので 作業が容易に行える
材質は軟化樹脂のような感じで、加工時の 割れ や 欠損 などがなく失敗することが少ない

このBOXに  吸気 排気 操作窓 の穴をそれぞれ開ける






《 吸気 》


吸気ダクトエンド OA(オープンエアー)用の吸気窓(ホームセンターGet)を取り付ける

【 丸型フードつきガラリ 100Φ  (現地価格 448円) 】



ホールソーがない為 コンパスでけがいた後に、ドリルで穴を開ける



発電機本体の吸気位置に合わせた位置に穴を開けるが、 あまり低い位置だと砂を吸う恐れがある






内部は 元々 メタルのネットが張ってある為に ゴミの混入を防ぐ事が出来る





取り付け後 グラスボードを貼り付けた内部写真

前に伸びているコンセント配線は 発電機に繋ぐもの

このコンセント配線   外部防水型コンセント・・ そして 4個の排気ファンへと繋がる
これにより、これを発電機に差込み 発電機に電力が生じると 排気ファンと 外部防水コンセントが使用可能となります









《 発電機操作窓 》


次に 側面に穴を開け、発電機操作用の丸い点検口を取り付ける

これは、発電機をBOXに入れたまま 運転停止が出来るようにするもの 
これもホームセンターで簡単に購入出来る

【 株キョーワナスタ  PC丸型レジスター 150Φ  (現地価格 1,080円) 】




取り付け後 周りにシリコンシールを施す








BOXの内部には 全面に消音シート(グラスウール)を貼り付ける





消音シートはゴムシートや鉛板など・・ 色々あるが、
軽量を考えて プラント発電機や機関室の壁面で使用されている特殊な専用グラスを使用することにした

これは 大型の発電機室で使用されている実効果を信じての採用、 BOXの軽量化にはとても助かる




《 実効果 》 薄くても 十分に効果があった
 

消音シートを低面に敷く際に 発電機を据え置く為の振動板を取り付ける
ゴム振動抑制板をカッティング



これが振動抑制になる一方で 発電機の足場にもなる



先にゴム板をBOX底に取り付け 後にカッティングした防音グラスシートを敷き詰める




この時 BOX裏面にもゴムの足を取り付ける
発電機の重量と振動を受けるように 中心部に取り付ける
これがあることで 《 箱鳴り 》 を防止できる
(発電機は重量がある為に、中心部が沈み込みます  この補助は必ず取り付けたほうが良いアイテムです)




床面のグラスシートをカット
BOXに敷き詰める








《 BOX蓋 》


BOX蓋には ハンドフックを取り付ける これは二つで耐荷重100kgの物




このハンドルを取り付けることで とても簡単に運べるようになった
ホームセンターで 1つ 580円

取り付けが甘かったり、すると 『 カチャ カチャ 』 ハンドルが共振するので しっかりと取り付ける
( もし それでも音が出る場合には、蓋部に貼り付けたグラスボードが発電機が干渉している可能性があるので グラスボードを少し大きめにカットする等で 調整 )




蓋の部分にハンドフックを取り付けた後に 内側にエポキシ樹脂を吹きつけ、防音性と 直射日光からの断熱の役目とする
これを施すことで、海での使用時は 太陽光からの内部温度への影響が著しく防げている



エポキシが固まった後、その上に厚手のグラスボード板を張り消音と断熱の二重構造にする
そのグラスボードは 厚みのある グラスウールを使用、これはホームセンターで簡単に購入できる
金額は 300×1300×42 で 500円ぐらいだった





蓋部中央は、発電機上部の取っ手位置に合わせ グラスボードを長方形にカッティングするが
前に書いたように、 このカットのクリアランスが悪いと 発電機の取っ手がグラスボードに触れ 振動が蓋に伝わり 
BOX全体が共鳴するので注意が必要だ



後に グラスボード表面に耐熱布を張り グラスの飛散防止加工に







《 消音部 》


消音ユニットは こんな形

BOX内に消音ユニット(写上)をもうけ さらにその先のBOX外部に U字フェンダーを取り付け 排気を下部に逃がす
これにより 排気が地面にあたり、排気音が吸収される

発電機は 排気部分から出る音が騒音の殆ど     側面は過剰に防音を施す必要がないように思う
自分の場合には 写真の通り 24mmグラスシート一枚だけにしているが これで十分な効果がある




消音ユニットは発電機形状に合わせ、別に作成
グラスシートを二重にし 防音効果が増すように作る

これは、 別にユニットをセパレートすることでメンテがし易く、排気等で汚れても このユニットだけ取り外し交換することができる
発電機との接触部分は ネットでよく見るシリコンシールを施しているが、 これがなく 多少クリアランスが開いていても ファンが吸気するので 排気漏れが少ない
心配な場合には やはりシリコンシールがベストと思います



裏面 排気側




ここに 消音ユニットをセット







≪  消音室 (サイレンサー) ≫


発電機の排気菅は 発電機本体の側面右側から出る為に 防音室の壁面に一度排気を当て消音。
その後、排気を中で一旦経由させ 外のサイレンサーのファンで吸引させる
これにより 消音効果を増大させる



内部の 発電機排気が直接ぶつかる部分には 耐熱板 ( 自分は耐熱アルミテープ ) を貼り付ける



アルミテープは消耗品     ぶつかる排気を分散させる為に、徐々に薄くなりボロボロになる
すぐに張り替えられる厚みのあるアルミ板テープを使用  因みに・・1年に一度の交換をしています

これが無いと 徐々に炭化したグラスウールの火災が懸念




消音室の上部は 発電機運転中、排気状態や温度等・・点検ができるように 上蓋が開けられるようにしてある








《 排気 》


次に排気ライン

排気サイレンサーフェンダー この内部にも防音シートを貼り付ける

(サイレンサーフェンダー) 【 高須産業 ウェザーカバー20cm AV-20W  (現地価格 1,180円) 】







排気は 発電機が無負荷ならば 自然排気でも良いが、発電機に負荷をかけたロード状態では回転数も上がり
排気量・温度も上がる為 強制的に 熱風を排気できる能力のファンが必要になる

しかも 回転数は速く・・ 運転音は低いファンが求められる
このファンは 一つ 1800円程 

排気フェンダー内に 耐熱ファン(95度耐  100V用)を4個配置  配線を行う
設置は アクリル板の両面に アルミ板を貼り付けた板を採用!   取り付ける

この板もホームセンターにて 300×300mmで680円程・・  このアルミ・アクリル合板は放熱に効果大です


排気ファンは 発電機運転時に 自動的に回る回路にする



これは裏側 (吐き出し側)







《 排気ファン 》


このファンを取り付けることで 発電機から出る排気を強制的に排出、サイレンサー部から除々に伝わる発電機への加熱を抑制する
と、同時に ファン排気することで サクションダクトから外部吸気を生み、この吸気で発電機本体の空冷効果も発生させる
このファンは 1個よりも4個にすることで 安定した排気が長時間続いてくれる
( 追記に記載したように  1つのファン・・若しくは換気扇だと とても効率が悪かった )


《 山洋電気 109S091     2052円 / 1個 》







《 追記・・ 2011. 8/1 》
ファンは 山洋電気の San Ace 92  
これはケーシングがアルミで ファンがプラスティック

それに変わり
お勧めファンはこちら  《  軸流ファン  》 

このメーカーは ケーシング・ファン共にメタルを使用  San Ace 92 よりも風量が一つあたり 0.4㎥/min 多く 4個になると 1.6㎥/min 増える計算、 高効率が期待できる








≪ サイレンサーフェンダー内部 ≫


内部三方に防音グラスシートを貼り付けている
これは消音にとって とても有効な処理です

ファン部分にシートが干渉しないようにカット  触れると ファンが止まる恐れがあります


写真のように 吸い込み側が アルミ板の面になり、 ファンに伝わる熱をアルミ板が拡散する
アルミ板の中空はアクリル板なので 軽量かつ熱伝導を程よく抑制  熱が伝わりにくい設計

長時間の ファン運転には このアルミ合板板を排気側(上)へ取り付ける処理が必要です

逆にアルミ合板を下にし ファンを上側にした場合、ファンが排気に直にさらされ熱を帯び 長時間の運転には危険です







≪ サイレンサー外部 ≫


ここから排気され 音は地面で吸収される



このフェンダー取り付け位置は 吐き出した排気がバウンドし、ファンが熱を帯びないように 限りなくBOXの上部に取り付ける

この2箇所をカット





これによりフェンダーを上部まで引き上げて 取り付けることができる









負荷用 外部コンセント取り付け、操作窓 吸気口・・ ここへもシリコン樹脂コーキング加工を行う
( 発電機は振動があるので 硬化ボンドよりも シリコンの様なクッション性の高い物が合う )








ほぼ完成




蓋を固定するチェーンを取り付ける
これは、蓋を開けたままで発電機を出し入れする際  又は 給油時にとても便利だ
( チェーンは格納後に 音が出る場合があるので、袋内にするか 材料をワイヤーかロープにすることをお勧めします )





BOX自体の重量は 11kg   とても軽量に仕上がった
小学生のケイトでも普通に持ち上げられる
大人なら 片手でも大丈夫





発電機の運転音は とても静かで、BOXの振動も無い

サクション側のダクトに手をあてると かなりの吸気が感じられる

これなら 天気が悪く 太陽光発電が出来ない日に 発電機を長時間運転しても問題ない



実際に使用してみると、4時間運転でサイレンサー部の加熱は多少あるが、発電機本体には影響が無かった

BOXに入れることにより、防音効果も含め 風雨の中では 発電機の地絡防止に効果があるのが嬉しい

















《 2015年 1月 現在 BOX排気ファン・発電機 共に故障なく作動しています 》










≪  2015年 新しい記事  発電機消音BOXⅡ  は こちらをクリック  ≫













《  追記 ファン改良  》



この後 一部改良を試みる

ファン部を 市販の換気扇ではどうかと組みなおす
これは、排気量を増やす為の改良


材料は20cmの換気扇
排気量は550m3/h
既設の100vファン4個分と比べ およそ2.6倍
これは期待できる


そして新たにサイズupしたフードカバー  ここに新たに組みなおす


換気扇は本体をばらし、モーター部だけを使用 

アルミ板を加工し、ケーシングを作成 フードカバーに取り付ける


フィッティング



内部に防音を施し、既存の配線をばらし 直結回路にする

温度ヒューズは直結する



取り付け完了 既設に比べると少しは大きいが 違和感はない




実際に 負荷運転をかけてみる


風量は多く感じるが、サクション側(吸込み)に手を当てると 意外に通気が感じられない・・


負荷運転2時間を経過  状態は思ったより良くない
発電機の熱がこもる 同時に 排気も多く感じられない

換気扇モーターを触ると異常に熱い・・




ここで負荷テスト停止
熱により、換気扇の回転数が下がったように思う


結果 換気扇は不向き、 高速回転の耐熱ファンが最適と判断
既存ラインに戻す 

負荷運転では やはり既存の4個ファンの方が通気能力が高い

そちらをお勧めです!










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